【リリース】『Diamond』オフィシャルライナーノーツ公開!

Usotsuki_Diamond_h1_fixライターの内本順一さんによる、3rd Full Album『Diamond』のオフィシャルライナーノーツを公開致します。
 

 わぁ。いい歌ばっかりじゃないですか。3月に先行配信されたシングル「恋はハードモード」が驚きのファンキー・チューンで、しかもそのMVときたらバッドボーイズに扮した4人が揃って振りのついたダンスをキメるという、かつてのウソツキからしたら考えられないものだった故、こりゃあアルバムもけっこうぶっとんだもの、飛び道具曲多めのものになるんじゃないかと読んでいたんだが。裏切られました。完全にいい意味で。ワルぶり方向はとりあえずあれで気が済んだのか、ここにはグッドメロディであることを重視した純然たる“いい歌”が詰まっている。1年5ヵ月ぶりの3rdアルバム『Diamond』。デビューしてしばらく彼らは“王道うたものバンド”と言われていたけど、ある意味でそこに回帰しつつ、でもあの頃より遥かに上達した演奏力と録音力でもって洗練された2018年型ポップスを鳴らしている。そんな印象だ。
 トロピカルハウスを用いながらシティポップっぽさも醸し出す「夏の亡霊」。歌詞内容とは別に夏っぽい疾走感と開放感ありの「偽善者」。「は?」「あ?」「え?」ってな日常使いの言葉までも歌にした「名もなき感情」。黒っぽいうねりと共にロック的なスピード感と煽り感も同時に有した「口内戦争」。細部まで練られたモダンサウンドが疾走感をさらなるものしている「レトルトの彼」。70年代ニューミュージックっぽさありのグッドメロディに心があたたまる「パン」。新ミックスの施されたディスコチューン「恋はハードモード」。スミス時代のモリッシーみたいな竹田の語尾上げと、藤井のベースに誘われて狂ったように暴れる吉田のギターが強烈な印象を残す「M.N.E.」。踊りながら泣きたくなるような「知ってる」。あったか切ない「超ひも理論」。モータウンっぽさありの弾んだタッチで今一番言いたいことを歌ってみせた「ラブソングは無力だ」。新しいも古いもなく誰の胸にも響くメロディと、明らかに新しく洗練された音とが、どの曲でも最上の合わさり方をしているのがいい。
 そして歌詞。愛ってなんだかわかんないけど声に出さずにいられなかったり。キスしたいけど出来なくてもう堪らなかったり。本物になれないレトルトでもいいから隣にいたかったり。君がやってることを知ってるけれど何もないふりして笑って手を繋いだり。悲しいはずなのに愛しくて幸せな情景を思い浮かべたり。と、酸っぱい側にだいぶ比重のかかった“甘酸っぱい”ラブ感情や、行き場を探して彷徨ってる思いの強さがこれでもかと歌われる。ああ青春。不器用・イズ・マイ・ライフ。10代のコがこれ聴いたら絶対救われるだろうし、大人が聴いたらあの頃の自分重ねてキュンとこないわけにはいかないであろう、そんな光のようなアルバム。最高じゃないか。

                                  (内本順一)

【作品詳細】
ウソツキ
3rd Full Album『Diamond』
発売日:2018年9月26日(水)
品番:UKDZ-0194
価格:¥2,500(+税)
レーベル:DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT
<収録曲>
01.夏の亡霊
02.偽善者
03.名もなき感情
04.口内戦争
05.レトルトの彼
06.パン
07.恋はハードモード(Album Mix)
08.M.N.E.
09.知ってる
10.超ひも理論
11.ラブソングは無力だ