『一生分のラブレター』オフィシャルライナーノーツ公開!

ライターの内本順一さんによる、3rd Mini Album『一生分のラブレター』のオフィシャルライナーノーツを公開致します。

_______________________________________

新たな季節を迎えたウソツキの本気。
今伝えたい思いを真っ直ぐ歌にした3rdミニアルバム。

 手紙が届いた。ハートのシールが貼ってあり、そこには“一生分のラブレター”と書いてある。わお。一生分?! それはたいへん。一生分とはまた重みがスゴい。誰からかと思えば、端にFrom ウソツキと書かれてあった。ウソツキからの“一生分のラブレター”。どらどら。読ませてもらおうじゃない。

何回だって告白をしよう
君が好きだって伝えよう。

 きゃ。のっけから、なんてストレート。ウソツキからのラブレターなのにこれ、ウソどころか超本気。超真剣。一体何回告白するつもりなんだろ。こんなに言われたらもう……。

 と、一生分のラブレターをもらった女の子の気持ちになってこのまま書き進めようかと思ったけど、小っ恥ずかしいのでやめ。あまりにド直球の恋文……もといラブソングだった故に動揺してしまったが、この直球加減こそが現在の、2016年夏の、ウソツキのモードなのだ。では気持ちを新たに初めから。

 『一生分のラブレター』。これはウソツキにとって3枚目となるミニアルバム。1stフルアルバム『スーパーリアリズム』から9ヶ月ぶりの新作ということになる。
 まずは表題曲の歌詞のストレートさに驚かされる。なんて真っ直ぐなラブソング。いや、これがほかの誰かの歌だったらそこまで驚かなかっただろうけど、これはウソツキ・竹田昌和が書いた歌詞なのだ。いつもなら、ひねったり、ねじったり、反対側へと回転させたりして気持ちを伝えるような厄介なタイプの彼が、まさかのこのド直球書き。だからこそ鮮烈で、引き込まれ、そしてズバっと突き刺さる。

これまでウソツキにはラブソングがなかった……わけではない。決して多くはなかったが、例えばほんのり恋心を含ませた歌詞はあったし、言い出せずに終わった気持ちを匂わせる歌詞もあった。『スーパーリアリズム』に収録されたミッドバラッド「春風と風鈴」には“あの日恥ずかしくて 言えなかった言葉も今は 言えるけど それはもう必要ない”という一節があり、その感じがなんとも切なさ交じりのリアルといったふうでグッときたりもした。だが今回のように、今まさに内から溢れ出している“君が好きだ”という気持ちをそのまま書いた歌はこれまでなかった。なかったし、竹田がそういう書き方をすることはないだろうと漠然と思っていた。「春風と風鈴」の“僕”はそのときの気持ちを“恥ずかしくて言えなかった”わけだけど、「一生分のラブレター」の“僕”はこんなにも自分に正直になり、そして情熱的にもなって、全力で“君が好きだ”と伝えているのだ。いや、「一生分のラブレター」だけじゃない。「ボーイミーツガール」の“僕”も「恋学者」の“僕”も、“君が好き”という今の気持ちを真っ直ぐ伝えている。「ハッピーエンドは来なくていい」の“僕”も“今だけは 君といたい”と伝えている。“僕”はもう、言い出せなくて後で後悔するのは嫌なのだ。今の気持ちは今言わなくてどうする?! というのが今の“僕”なのだ。
つまり“僕”はこの何年かで明らかに成長したわけだが、その“僕”は多分に竹田自身とも重なって感じられる。今言いたいことを、この熱い思いを、なるべく真っ直ぐ伝えたい。それが今の竹田の、ひいてはウソツキというバンド全体のモードなのだろう。

 とはいえ、どの曲も単純に「好きだ」だけを繰り返しているわけじゃない。シンプルな言葉を多く用いながらも、物語的な展開がどの曲にもある。親しみやすいメロディと、軽やかさと力強さがいい塩梅の演奏もまた“僕”の心情にリアリティを持たせている。その本気度。「決して嘘をつかないバンド、ウソツキです」というライブ開始時の決め台詞もこれでますます説得力が増すというものだ。

 ポップでラジオフレンドリーな表題曲「一生分のラブレター」を筆頭に、ウソツキが新たな季節を迎えたことを示すこの3rdミニアルバム。とりわけ「ハッピーエンドは来なくていい」は“僕”=竹田の切迫した願いと覚悟が力強く伝わる感動的なバラッドで、多くの人に届けばいいなと、心の底からそう思う。  (内本順一)